廃棄物処理事業とは

わが国では、昭和30年代以来、全国の大学・民間の研究機関などの事業者がさまざまな研究開発を進めていく過程で、さまざまな低レベルの放射性廃棄物を発生してきました。これらを研究施設等廃棄物といいます。
日常われわれがさまざまな物資の恩恵を受ける代償としてゴミが発生するように、研究施設等廃棄物は、我々がさまざまな研究開発の成果を享受する代償として発生するものであり、一般のゴミと同様、きちんと処分されるべきものですが、現在に至るまでその処分はされてきませんでした。
そのため、研究施設等廃棄物は、各事業所において保管・管理される状況が続いてきました。そして、家庭でもゴミを放置すればすぐにゴミ箱が満杯になってしまうように、各事業所でも保管容量が満杯になる恐れが出てきました。
こうした状況の中、わが国は、平成20年に国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)を研究施設等廃棄物を処分する実施主体と定めました。原子力機構が研究施設等廃棄物を埋設する施設を建設し、埋設事業を推進することが決まりました。
大学・民間の研究機関などの事業所は全国に点在しており、各々の事業所に保管されているさまざまな研究施設等廃棄物があります。これらを安全に処分するためには、高い品質管理をもって一元的に扱える合理的なシステムが必要です。これが廃棄物処理事業です。
RANDECでは、原子力機構が行う研究施設等廃棄物の埋設事業の本格操業に向けて、全国の大学・民間企業などから発生する研究施設等廃棄物の廃棄物処理事業の事業準備を行っています。
大学・民間の研究機関などで保管されている研究施設等廃棄物を、原子力機構の埋設施設に処分可能な状態(廃棄体)にして引き渡すための輸送・処理を行う事業が廃棄物処理事業です。全国の事業所から集荷し、安全に保管・管理し、廃棄体にするための処理を行い、責任をもって埋設施設に搬入することが廃棄物処理事業の使命です。
廃棄物処理事業は、わが国が将来も健全な研究開発を続けていく上で重要な事業と考えております。


廃棄物処理事業イメージ